あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「あと…出来れば警察を呼んで欲しい。お願いできるかな?」
「け、警察って…」
じゃあさっきのサイレンは、そう思ったところで近くに落ちていた漣のスマホからその音が未だ鳴り続けているのに気づいた。
「気を逸らす為のブラフだよ」
「……」
再び視線を足元の男に向けた漣に、私は我に返ってその場から離れ、自分のスマホで警察を呼んだ。
すぐに近くを巡回していた警官に男は連行され、私と漣はその後病院に向かった。
救急車の中で応急処置を受けた漣はなかなかに深い傷だったようで、病院に着いてからすぐに外科病棟へと運ばれて行った。
私は頬を少し切られただけで軽傷だったが、メンタル面を考慮して精神科を受診する羽目になったりと、なかなかの大騒動になった。
すぐに和泉さんが病院に飛んできたけれど、初めて見るくらい慌てていて、酷く心配された。
「悪かった、白雪。俺の責任だ…もっと警戒すべきだった」
「…いえ…油断して気付けなかった…私が悪いので…」
「だが、」
和泉さんはまだ何かを言いたそうにしたが、私は彼の服を掴み、言葉を遮り漣の名前を出した。