あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「それより、漣が…私より、漣の方が重症で…あ、あんなに…血が…っ」
漣の腕から流れる血の量を思い出しパニックになった私は和泉さんに縋りつき、病室はどこだと泣きつく。そんな私に彼は落ち着けと言い、頭を撫でた。
「来る途中に一通りは電話で聞いた。今は部屋で安静にしてるから安心しろ」
「けど、」
「漣には病院のスタッフ達がついてる。今はお前のメンタルケアが最優先だ」
「……」
他でもない和泉さんに断言されてしまえばそれ以上は反発できず、私は促されるままにカウンセリングを受けた。
今後も何度か通院する事にはなりそうだが、ひとまずは仕事を調整して数日の自宅療養でいいだろうと診断を下された。
その間何度も漣の名前を出す私に流石の和泉さんも折れ、漣の休んでいるという病室に連れて行ってもらえた。
注意をされながらも廊下を走り抜け、勢いよくドアを開けば病室にはベッドに腰掛ける漣と看護師、数人の警官がいて一斉に私に目を向けた。
「漣!」
脇目も振らずに漣に駆け寄れば、穏やかな笑みを携えた漣が受け止めてくれた。