あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜


「白雪…大丈夫だった?怖い思いさせてごめんね」


泣きじゃくりながら漣の胸元に顔を埋め、私は何度も首を左右に振った。

一向に顔を上げない私を見て他の面々は話は後日改めると言って出て行ってくれ、病室には私と漣の2人きりになった。


「白雪…顔見せて」


漣の言葉に素直に顔を上げる。涙と鼻水で酷い顔になっているだろうに、漣はどこまでも愛おしそうに私の顔を眺めていた。


「…傷、つけさせてごめん」


それから頬のガーゼに視線を向け、辛そうに顔を歪めた。


「…痕は残らないしいいの。私より、漣の方がもっと酷いでしょ…」

「俺は別に痕が残ろうが腹に穴が開こうが別に問題無いし」

「…全然笑えないんだけど…」


漣の腕は肘下から肩にかけてざっくり切られていて、かなりの出血だった。今も反対側の腕には点滴が刺さっていて、頬を数センチ切った程度の私なんかの比じゃない。

そう言いまたも涙を溢せば、漣は困ったように眉を下げた。

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