あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「冗談じゃなくて本当に。俺はどうなっても、白雪さえ無事ならそれで良いんだよ」
「……」
「…まあ、ご覧の通り…全然、守ってあげられなかったけど…」
漣は私に傷をつけた事をひどく悔いているようだった。きっと私がどれだけ大丈夫だと言っても、彼は引かないだろう。
そう思うと苦しいほどに息がしづらくなり、たまらず私は漣に抱きついた。
「…私、しばらく仕事休む」
漣の体に腕を回したまま、私は静かに言った。
「…え?」
声だけで漣が動揺しているのが分かる。きっと私が今回の事で心に傷を負ったのだと思っているのだろう。だけど、そうじゃない。
私は揺らぐことなく、言葉を続けた。
「どうせ傷があるうちは仕事できないし。…けど、今決まってる仕事が終わっても、しばらく休みたい」
「…どうして?」
私の心の機微を察したのか、漣は優しい声で聞き返した。