あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜



「…分かんなくなったんだよ。…昔、あれだけの思いまでして…漣を捨ててまで選んだ仕事なのに…その結果がこれだなんて…」

「……」

「私は、一体何の為に…」


お芝居が好きだった。女優になるのが夢だった。
愛した人を切り捨てて選んだ選択に、後悔なんて無いと思ってここまでやってきた。

だけど、それで得られたものは私の唯一愛した人を傷付ける、私のこれまでを全て否定するような結果だった。

何より大事な漣を傷付けてまで、縋りついていたくなるものでは、なくなってしまった。

肩を震わせて泣く私に、漣はしばらく何も言わなかった。ただ私の頭を撫で続け、私の嗚咽が収まるまで待ち続けた。


「…白雪がそうしたいなら、いいよ」


ようやく私の震えがおさまった時にかけられた言葉は、どこまでも優しい声だった。


「俺の全ては白雪だから、君が決めた事を全部肯定する。…俺は、白雪の為だけに存在してる男だから」

「…どうして?」

「ん…?」

「どうして怒らないの?」

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