あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
体を離して見つめるも、漣の瞳には怒りなんて無くて、ただ私への慈愛しか無かった。
「だって、あまりにも勝手すぎるじゃない。あんなに辛そうだった漣を捨ててまで選んだ仕事なんだよ?10年も…私は漣を蔑ろにしてきたんだよ?なのに、どうして怒らないの?」
漣がふざけるなと言ってくれたら、もう一度頑張れたかもしれない。もう一度、ただ応援してくれるファンを信じたいと思えたかもしれないのに。
それなのに漣は、またも私を受け入れようとする。
理不尽に責めるような物言いをする私に、漣は静かに笑った。
「言ったはずだよ、俺は白雪を恨んだ事なんか無いって」
「……」
「それに今の白雪は、俺のものでいてくれるんだろ?」
漣が私の左手を掬い、薬指にキスをする。
「君が俺の唯一でいてくれる限り、俺の元に戻ってきてくれる限り、俺はどんな白雪でも赦すし、愛してるよ」
「漣…」
「…ま、また今度離れるような事があれば…その時は非合法な手段を使ってでも囲い込むつもりだけどね」