あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
揶揄うように言うも、漣の目に冗談の色は無い。漣の愛情は相変わらず歪んでいる。
…けれど、どこまでも深くて、広い愛だ。
「…それにきっと、白雪は役者の道に戻りたくなると思うよ」
「…どうして?」
聞き返すと、漣はにこりと笑う。
「役を演じてる時の白雪は、誰よりも楽しそうだから」
「……」
私の事なら誰よりも分かると、漣はいつも言っている。
そんな彼が楽しそうだと言うならば、きっとそうなのだろう。
漣は私の返事を聞く事無くキスをした。触れるだけのキスは、涙の味がしてしょっぱく感じた。
「そうだ、白雪。しばらく仕事休むならさ、新婚旅行がてらフランスに行かない?」
「…?なんでフランス?」
なんとなく含みを感じて聞き返せば、漣は「いやあ」と頭を掻きながらへらへらと言った。
「しばらくあっちの仕事放置してたら、向こうの仲間からついに怒りの連絡がきちゃってね。どのみち一旦行かなきゃいけなくなったんだよね」
「…は?」
なんでも無い事のようにへらりと言う漣だが、なかなかとんでもない爆弾を投下させられた感じしかしない。