あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「…そっか」
短い言葉だったけれど、漣の言葉ば弾んでいた。
体に寄りかかる私の腰を抱き、愛おしそうに肌を寄せる。
「ようやく白雪が、俺のものになってくれるんだね」
その言葉に視線を落とす。
漣の腕に巻かれた包帯は痛々しく、胸が苦しくなる。代償は大きかったけれど、それでも漣は今生きていて、側に居てくれる。
それはきっと、これからも変わらない。
私が彼を愛し続ける限り、ずっと。
「…そうだね」
昔を思うと、今でも苦しくなる。愛した人を他の女に奪われる日々、彼を選ぶことができなかった罪悪感は未だに私を悩ませる。
だけどそれを上回るくらい、今は幸せを感じられる。
それにいつかきっと、あの日々も無駄じゃなかったのだと思える日がくると、今なら確信を持って言える。
漣がくれた指輪をはめた左手をゆっくりと掲げる。
そんな2人の愛の象徴を、私達は肩を寄せ合いながら、しばらく見続けていた。