あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
もうすぐ私は漣と共にここをたち、日本を離れる。こちらでの仕事がある時に帰ってくる、言葉通りの2拠点生活を選んだ。
海外に住居を置く芸能人なんて珍しくもなんとも無いし、漣の持ち家である此処もそのままだ。ありがたい事に、事務所も今のまま籍を置かせてもらう事で話はついている。
「結婚かあ…」
私の左指には今現在、漣とお揃いの指輪がはめられている。婚約指輪は今ではリングケースに仕舞い、大切に保管している。
「どうしたの?」
「…ううん。ただ、またあんな事があったらやだなって」
「……」
漣の瞳がじっと私を見つめる。
「分かってるよ。その為にこんなセキュリティのしっかりしたところに住まわせてくれてるし、住居もあっちに移す。…けど万が一、また私のせいで漣に被害がいったらやだなって」
「…ごめんね、白雪」
「?どうして漣が謝るの?」
寧ろ私の所為なのに。そう言っても、漣は少し困った顔をするだけだった。