あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜



「そういうことでしたら、近々連絡取ってみますね」

「ありがとう!あ、でも、無理にとは言わないから!」


手を合わせて何度も謝罪する姿を見て子育てとはつくづく大変だなあと他人事のように思う。

友人として連絡を取るくらいはどうって事はないだろうし、多分その程度のお願いなら彼はきっと引き受けてくれる。

帰宅して落ち着いたら連絡してみようと思いながら食事を終えてスタッフさん達と一度別れ、荷物をまとめて揃ってチェックアウトをした。


一行はほぼ同じ便で帰るのだが、私の隣は和泉さんの席だったので空席で、話し相手もいなかったので窓辺に寄りかかりながら目を閉じた。

——会おうって言われてもな…

あんな口約束、反故にしようと思えばできる。そもそもあんな脅しみたいなこと、到底約束だなんて言えない。

それでも絆されても良いかもなんて思っている私は、特別快楽に弱い人間なのか、 はたまたそれほどまでに漣にしっかりと惹かれているのか。

そう自分自身に問いかければ、私は間違いなく前者だと主張する。

——そうじゃなきゃやってられないよ。こんなの…

身体は繋げたけれど心は通わせていない。この関係に名前を付けるなら間違いなくセフレだ。確かに気持ちは良かったけれど、後々の虚しさが半端じゃない。

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