道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません
なのに、体が火照り顔まで熱くなっていくのをどうすることもできなかった。

ギルドマスターにしがみついたまま、どのくらい時間が経ったのかも解らなかった。

「着きましたよ」

ギルドマスターに言われ、パッとギルドマスターから離れた。

ギルドの壁中央に取りつけられた時計を観ると、ギルドマスターとダンジョンに潜って、まだ1時間ほどしか経っていなかった。

「ありがとうございました」

慌てて礼を言いながら、頭を下げた。

「こちらこそ」

ギルドマスターは会釈し、クスッと笑った。

「冒険者の方々には、またお叱りを受けそうですけれど仕方ありません。とりあえず30階層までは調査が済みましたので、その旨を伝えて辛抱してもらいましょう」

「はい」

「道具屋にもご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いしますね」

「はい、承知しました」

「ラヴィーネさん」
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