道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません
「何でしょう?」

「今日。あなたと2人、ダンジョンに潜って恐い思いもしましたけれど、嬉しかったです。冒険者を引退しなければよかったと思いました」

ラヴィーネはやっと体の火照りが治まってきたと思ったのに、再びカーッと体が熱くなっていくのを感じた。

ーーわたしも嬉しかった

思わず、声に出して言いそうになり、グッとこらえた。

「な、何を言っていますの? まだ調査は終わっていませんのよ。浮かれている場合ではありませんわ」

ラヴィーネが焦って、口か出てきた言葉は、ラヴィーネの本心から、かけはなれていた。

ーーやってしまった

ラヴィーネは思ったが、言ってしまった言葉は取り消せない。

「アハハハッ、そうですね。今は調査に集中しなくてはなりませんね」

大人だなーーラヴィーネはギルドマスターの顔をじっと見つめた。

「ラヴィーネさん」

「なに? まだ何か?」
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