君の心に触れる時


家に帰った春香を待っていたのは、蓮だった。
蓮は春香を見つけると、すぐに駆け寄ってきて、

「本当に?それって、俺たちの子供?」
と驚きと喜びを込めて尋ねた。

春香は微笑みながら頷き、蓮を見つめた。

「うん、私たちの子供。」

その瞬間、蓮は涙をこぼしながら、春香をしっかりと抱きしめた。

「ありがとう…本当にありがとう。」

春香はその涙を見て、胸がいっぱいになった。
これまでの辛い時期を乗り越えてきたことを考えると、こんなにも素晴らしい瞬間が訪れることに胸が震えた。




蓮と春香は、しばらく喜びの中で静かな時間を過ごした。
しかし、春香は妊娠のニュースが嬉しい反面、心臓病を抱えている自分に対しての不安も大きかった。
心臓に負担がかかることで、無事に妊娠を続けることができるのか、自分と赤ちゃんの命が守れるのかという恐怖が湧いてきた。

「蓮…本当に私、大丈夫かな?」

春香は悩みながら言った。

「この子を無事に産んであげられるのか、私には心臓の病があるし…不安でいっぱい。」

蓮はその言葉を聞いても、少しも揺らぐことはなかった。彼は春香を優しく見つめて、しっかりと答えた。

「春香、お前がどんな不安を抱えていても、俺が一緒にいるよ。お前がどうしても不安なら、どんな時でも支える。」

その言葉を聞いた春香は、少しだけ不安が軽くなったものの、まだ心の中で葛藤していた。しかし、蓮の愛に包まれていると、少しずつその不安が和らいでいくのを感じた。
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