鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
「あっ。これ、好きな花です」

 花壇の一角に咲いたバーベナを指して言う。ピンクや白、紫や赤まで咲いていて実に鮮やかだ。

「いい匂いなんですよ。使っているヘアオイルがこの匂いで」

「君とあの家に住むようになってから、洗面所からいい香りがするようになった。あの香りか」

 思わずその言葉にどきりとしてしまった。彼の口から、そんなふうに生活の変化を告げられたのはたぶん初めてだ。私がいる、以外にそう意識させるものがあったなんて知らなかった。

「俺もあの香りは好きだ。花はこんな形なんだな」

「白が一番好きなんです。悠生さんはどんな花が好き、とかありますか?」

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