鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
「両親の言う通りに病院を継ぐほうが正しいんじゃないかと、たまに考える。自分の信じる道を進んでいいんだと思うのに、ふとした瞬間に頭をよぎるんだ。君に背中を押させてしまったようなものだな」

「私の言葉で前を向けるなら、何度だって言います」

 この人はずっと、自分だけを必死に信じて生きてきたのかもしれないと思った。両親に否定され、恩師を亡くしても、苦しむ人々を救いたいという一心で。

 そんな彼が弱みを見せてくれた事実を理解し、胸がいっぱいになる。

「ありがとう」

 悠生さんはそう言って、微かに身じろぎをした。

 そして私から目を逸らし、自分の手を見下ろして苦笑する。

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