鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 ポジティブな考え方は俺に新しい視点を与えてくれて、違う世界を見せてくれる。その不思議な感覚は、初めて自衛隊医官の話を聞いた時に感じた衝撃とよく似ていた。ただ、律に対する感情のほうがもっと温かい。

 展望台でブレスレットをつけてほしいと言われた時、触れても大丈夫なのかと不安が強くなった。俺は彼女を気遣うより先に、もし触れた時に拒まれたらという思いが立ったのだ。そんな自分を強く恥じながら初めて距離を詰めた時、もしかしたら俺は彼女よりも緊張していたかもしれない。

 そこまでの距離を許してくれただけでもうれしかったのに、問題はその後だ。

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