鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 これは嘘だ。彼と手を繋いでいる状態で、笑顔なんて見たから切なくなっただけ。

 これ以上好きにならないなんて無理だ。

 こんなに泣きたいほど彼を愛おしく思っているのに、どうやってこの気持ちが大きくならないよう抑えられるというのだろう。

「どうすればリラックスできるんだろうな。人を落ち着かせるとしたら、背中を撫でたり、手を握ったりするのがいい気はするが、どちらも君にとっては逆効果だろう」

「ためしにやってみてくれませんか……?」

 悠生さんにだって触れられるのが怖かったはずなのに、もっと触れられたいという気持ちがどこからともなく湧き上がってきて懇願してしまう。

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