鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 悠生さんに意識してもらいたくて、眠気と戦っている場合じゃないと伝えるために――どうして、顔を寄せてしまったのだろう。

 ただでさえ熱くなっていた頬がますます熱を持ち始める。

「寝ま、せん」

 彼の腕の中にいたら、きっとおかしくなってしまう。いや、もうおかしくなっているのかもしれない。

 そう考えて逃げようとしたら、背中に回された腕がよりきつく力を込めてきた。

 それだけでなく、後頭部をぽんぽんと撫でられて額にキスをされる。

 ぎゅっと心臓を掴まれたような緊張が走り、自分はもうここから逃げられないのだと悟る。

 囚われたのは身体だけじゃない。心も一緒に、抱きしめられてしまった。
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