鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 心のどこかには律の件が引っかかっている。彼女に対して感じた気持ちをいまだにうまく言葉にはできないが、それを言葉にして伝えるために、あの家へ帰りたかった。

【もう大丈夫だ。不安だろうが、気をしっかりもて。いいな?】

【先生、ありがとう。俺、このまま死ぬんだと思ってたよ……】

【君も、ここにいる誰も死なせない。そのために俺たちがいる】

 理想論だとは言わせたくなかった。告げた通り、すべての人を救うべく立ち上がる。次の患者のもとへ向かおうとした時、先ほどの医官が泣きそうな顔で駆け寄ってきた。

「羽白先生、ボランティアの方々が到着しました」

< 248 / 337 >

この作品をシェア

pagetop