鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 トラウマを克服したのか。

 そこに、男との接し方に悩む律の姿はない。かつて災害現場で出会った時と同じように、彼女はきびきびと動いていた。

 苦しむ姿を知っているだけに、胸の奥が熱くなる。彼女は自分の中の恐怖を乗り越えて、また過酷な現場に戻ってきたのだ。

 律の変化はうれしいが、今は浸っている場合ではない。

 表情を引きしめ、改めてこの場の状況を整理すべく俺も自分の仕事にあたった。



◇ ◇ ◇



 目の前に広がる光景は、想像していた以上に過酷で圧倒されそうになった。

 瓦礫の中から救出された人々が仮設の医療施設に運ばれていく。

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