鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
「俺は君の男性恐怖症を知っている。フィリピンに来た時点で克服できたらしいというのは察したんだが……無意識に、あの距離は俺だけに許されたものなんだと思い込んでいた。だから、君が平然とほかの男と話しているのを知って嫉妬してしまった。……疲労もあって心の余裕がなかったんだと思う。こんなことなら、のんびりかまえていないで早く告白すればよかったと悔やんだよ」

 頬を両手で包み込まれて息を呑む。甘い眼差しと手の感触で溶けてしまいそうだ。

「君を俺だけのものにしたい」

 そう囁き、悠生さんが私の指に唇を乗せる。

「ここに触れるのも、俺だけにしてくれ」

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