鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 ここでも気遣いを発揮してくれた悠生さんが、とろとろになるまで甘やかしてくれたからかもしれない。

 そのせいでしばらく彼の顔を見られないんじゃないかと思うほど、恥ずかしい思いをしたけれど。

 なにもかもが幸せで、まだ夢を見ているような気になる。もしそうならこのまま覚めないでほしいと思っていると、悠生さんが身じろぎをした。

 まぶたをわずかに動かし、深く息を吸い込むのを間近で見つめる。そうしていると、悠生さんの腕が私を抱き寄せた。

「……おはよう」

 昨夜の甘い熱を残した低い声は少しかすれている。それが逆に彼の色気を引き立てているようでどきりとした。

「おはようございます」

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