鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 触れるのはまだ早いと判断し、指でちょんと彼の手をつついてみる。このくらいならまだ大丈夫らしい。とはいえ、これがほかの男性ならここまでですら無理だろうから、やはり羽白さんは特別な人なのだ。

「これに関しては、君の心の捉え方によるものが大きいと思う。物理的な距離を縮める前に、まずリラックスするところから始めるのはどうだ?」

「リラックス、ですか」

「ああ。たとえば……名前を呼ぶ、とか」

 なるほどとうなずきを返す。

「よく考えたら、夫婦なのに苗字で呼ぶのはおかしかったですね。ええと、その……悠生、さん」

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