憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
【やっぱりこの仕事、受けるのやめよっかなー】

【なんか幻滅しちゃったし、みんなにもカゲツドーの化粧品、買うのやめるように言おうかな?】

言いたいことはたくさんある。
まず、約束の時間を断りなく破ったのは彼女だ。
そしてクライアントの会社を「カゲツドー」などと適当に呼ぶのもありえない。
社会人経験がないみたいだから仕方ないのかもしれないが、それでも自分が悪いのを棚に上げて言いたい放題は腹が立つ。
が、仕事を降りるだけならまだしも、これで周りの人間にうちの悪い噂を立てられるのは困る。

「……はぁーっ」

私の口から大きなため息が落ちていく。
気のせいだと片付けた頭痛は、レベルを大幅にアップして存在を主張してきた。
一度、席を立って痛み止めを飲み、戻ってきてキーに手をのせた。

【こちらの都合でお時間の変更のお願いをし、大変申し訳ございませんでした。
これからはこのようなことがないように善処いたします。
明日以降でご都合のよろしい時間をお教えいただけますと幸いです】

なんで向こうが悪いのにこちらがこんなにへりくだらねばならないのかとは思う。
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