憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
もういいと首を横に振ると龍志は、私をそっとベッドに横たえてくれた。

「汗、拭くな」

用意していたであろうタオルで彼が、私の身体を拭いてくれる。

「だいぶ汗、掻いたな。
これならすぐに熱、下がるだろ」

最後に頭の下に新しい氷枕をセットし、彼は薄手の布団を掛けてくれた。

「なんかあったら呼べ。
すぐ来る」

タオルやなんかを抱え、離れようとする彼の服を反射的に掴む。

「……ひとりにしないで」

熱があるからだろうか、ひとりになるのが心細い。
誰かに――龍志に傍にいてほしい。

「七星?」

怪訝そうに彼が、振り返って私を見る。

「傍に、いて」

しばらく私を見つめたあと、龍志は大きなため息をついてまたベッドサイドに腰を下ろした。

「これでいいか?」

そっと彼が、私の手を握ってくれる。
けれどそれでも、まだなにか足りない。

「ぎゅーって、して?」

私が頼んだ途端、なぜか龍志は眼鏡から下を手で隠し、顔を逸らした。
してくれないのかと不安で、悲しくなってくる。

「……ダメ?」

「……いい」

ぼそっと呟き、彼は眼鏡を置いてベッドに上がってきた。
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