憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
昨日は帰りが終電だった。
そして今は朝五時。
そりゃ、眠いってものだろう。
いくら今日が新作発表会だからといってあと一時間半は寝ていられるが、早起きしたのには理由がある。

「よしよし、ちゃんと炊けてるな」

ひさしぶりに稼働させた我が家の炊飯器を見てにんまりと笑う。
龍志は昨日から会社に泊まり込んでいる。
なので朝ごはんにおにぎりを差し入れようと思っていた。

動画で確認し、練習したおにぎりを作る。
握らずにごはんをのせた海苔をたたんでいくやり方だ。
最初は崩れたりしてあれだったが、何度かやったらまあまあ上手くできるようになった。

「よしっ」

できあがってしばらく置き、冷めたおにぎりを密封容器に入れる。
さらに即席味噌汁をのせて100円ショップで買ってきたお弁当包みで包んだ。
これならきっと、龍志も喜んでくれるはず。

身支度を済ませて家を出る。
まだ早いが、あまり遅くなると龍志は朝ごはんを食べてしまうかもしれない。
あまり寝ていないなんて嘘のように、わくわくして会社に向かった。

「おはようございます」

「おはよう。
早いな」

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