憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
うぇっとルナさんが吐く真似をする。

「決めた。
今すぐこんな会社、龍志を辞めさせるわ。
それで一刻も早く、私と結婚してもらう」

「だから、宇佐神課長と結婚するのは七星お姉さまなの!」

「だから、この女には無理だって。
地味で冴えないのはもちろん、龍志は……」

「ルナ」

遮るようにその声が聞こえてきて、ルナさんはぴたりと口を噤んだ。
声のした方向を見るともうひとりの当事者である龍志が立っている。

「なに、騒ぎを起こしてるんだ?」

彼の声は静かだったが、それだけ怒っているのだと感じさせた。
私はもちろん、COCOKAさんも周囲の人間にもおかげで緊迫した空気が流れたが。

「あーん、龍志ー、あの女がルナを苛めるのー」

ルナさんだけは別だったみたいで、龍志にしなだれかかった。

「ルナ」

再び彼女を呼ぶ龍志の声は怒気を孕んでいる。
さらに眼鏡の向こうから彼女を見下ろす瞳は冷え冷えとしていた。

「どうせお前がなんか言ったんだろ」

庇うどころか龍志がルナさんを突き放す。
これにはさすがのルナさんもおとなしくなった。

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