憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
だったら、思い出を作れる機会をぐずぐず考えて逃してなはらない。

「わかった。
手配しとく」

龍志の声は嬉しそうで、けれどどこか少し湿っていた。



初めての、ふたりでの旅行を楽しみにしながら仕事をこなす。
そんな中、問題が起こった。

「宇佐神課長」

その日、龍志の前に立ったルナさん担当の男性社員はどこか、気まずそうだった。

「その、お話が」

「ん、わかった」

おどおどとうかがわれ、龍志は頷いて立ち上がった。
ふたり連れだって部署を出ていく。
もしかしてルナさんの担当を外れたいとかかな。
あのわがままっぷりにかなり苦労しているようだし。
それで仕事を辞めたいとかだったら、可哀想だ。

「俺のほうで話つけるから、気にするな」

「はい、はい。
本当にすません」

しばらくしてふたりが戻ってくる。
男性社員はすまなそうな感じで自分の席へと行った。
龍志も自分の席に着き、目があった。
なんでもないと笑われたけれど、本当なんだろうか。

それから少しして小山田部長が凄い形相でやってきた。

「ルナがうちとの契約を切るとは、どういうことだ!」

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