憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
ありがたくそれを受け取り、袋から出してテーブルの上に広げる。
中身は有名焼き肉店の焼き肉弁当だった。
たまたま近くだったのか、……それとも。
私のご機嫌を取りたくてわざわざ買ってきたのか。
後者だったとしたら、こんなもので私の機嫌が直るとは思わないでほしい。
龍志が作り置きしてくれている麦茶もグラスに入れてきて置く。
私が食事の準備をしているあいだに彼は部屋着のスエットに着替えてきた。

「さて。
先に食うか、あとから食うか」

龍志もいつもの定位置に座り、私に聞いてきた。

「あとで。
こんな、もやもやしたままだと美味しくいただけません」

「あとだとすっかり冷めてしまうが、それでもいいか」

「はい、かまいません」

龍志とルナさんがどういう関係なのか、どういうつもりで私と付き合っているのか、はっきりさせないまま食べたって、味がしないだろう。

「わかった。
俺の父親、な。
『TVJ』の代表取締役なんだ」

「……ハイ?」

唐突になにを言われたのかまったく理解ができなくて、首ががくっと横に倒れる。

「TVJってあの、TVJですか?
大手テレビ局でうちともお付き合いのある?」

< 400 / 414 >

この作品をシェア

pagetop