憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「そうだ」

頷かれたって、あの大手テレビ局の代表取締役が龍志の父親とか言われても信じられない。

「えっと。
じゃあ、龍志は御曹司……」

「そうなるな」

だとしても、なにも結びつかない。
だって龍志はごく普通の会社員で、現に今、住んでいるこの部屋だって私の部屋より広い分、ほんの少し家賃が高いだけの普通の部屋だ。
着ているものも身につけているものも普通で、たまに高い時計とかもあるけれど頑張って奮発して買ったんだなって思うくらいで別に不自然ではなかった。
……ううん。
普通の会社員にしては少し、使うお金が多かった。
前にアニメとドラマは全部、簡単に内容を確認しているとかいっていた。
あれも実家の仕事の影響?

「えっ、じゃあなんで、こんな普通の会社員とかしてるんですか!?」

あんな大会社の御曹司ならセレブで、こんなに苦労しながら普通に会社員なんかする必要はないはずだ。

「あー……。
そこは今回の件にあまり関係ないので、そのうち話す」

気まずそうに長く発して頬を掻き、彼は力なく笑った。
その様子にきっと聞かれたくない事情があるのだと察し、とりあえずは黙っておくことにした。

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