憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「そんなわけで通信会社大手の社長令嬢であるルナとは政略結婚の婚約者なんだ」

それを聞いてなんとなく、頑なに彼が大手ペイ払いを使わない理由がわかった気がした。
大手ペイ払いを運営している親会社は、ルナさんの父親が社長をしている会社だ。

「婚約者といっても家を出るときに俺は解消すると言い切ってきたし、俺にルナと結婚する気はない」

強い信念で龍志が言い切る。
その言葉に嘘偽りは感じられなかった。
それどころか嘘だったら煮るなり焼くなり好きにしてくれという覚悟が感じられる。

「じゃあ、ルナさんは龍志と結婚するって勝手に言ってて、その龍志と付き合っている私は龍志を奪ったというか浮気相手の悪者ってことですか?」

「そうだ」

本当に嫌そうに龍志が頷く。
これでだいたいの事情は飲み込めた。
あのわがまま高飛車お嬢様ならありえそうだと思ったが、ことは彼女個人では済まなかった。

「しかし、ルナひとりが言ってるだけなら無視しとけばいいが最近、親父が俺とルナとの結婚の話を進めているらしい。
それでルナのヤツ、いい気になっているようなんだ」

はぁーっと彼が、苦悩の濃いため息をつく。

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