憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「えっ、それって大丈夫なんですか!?」

父親が話を進めているって、そんなのもう決定事項なのでは?
こんなところで私に状況説明とかしている場合ではないのでは。

「まー、兄貴がなんとかしてくれるだろ。
今日、親父に内緒で兄貴に会って、頼んできたからな」

これで安心というふうに彼が笑う。
まだそこはかとなく不安ではあるが、彼がそう言うのならそうなんだろうと納得しておいた。

「それに俺は家に戻ろうと誰とも結婚する気はないし、婚姻届にも絶対にサインしない。
俺の妻はたとえ籍は入れられなくても、七星ただひとりだけだからな。
だから安心していい」

本当に愛おしそうに自分の左手薬指に嵌まる指環を龍志が見つめる。
彼はそこへうっとりと口づけを落とした。
自分がされたわけでもないのになぜか、ぼっと顔から火を噴く。

「これで俺が愛しているは七星ひとりで、誓って二股とかしてないって納得してくれたか?」

眼鏡の奥から龍志が私をうかがってくる。
その少し不安そうな瞳を見て、不覚にも胸がきゅんと甘く締まった。

「はい。
疑ったりしてすみませんでした」

そうだ、龍志が私に嘘をついたりするはずがない。
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