憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「何度も言うが、俺は親父がなんと言おうとお前と結婚する気などない。
それに三十になるまでは俺の好きにしていいと約束してある。
それまでは俺がなにをしようと一切、口出しはさせない」

じろりと龍志に睨まれ、さすがのルナさんも怯えたように身体を震わせたけれど。

「そんなの、おじさまが許すはずがないわ」

すぐに龍志を睨み返し、反論してきた。

「あっちが約束を反故にするなら、俺もあの家に帰らないだけだ。
……ん?
そのほうが都合がいいよな。
実家に戻らず、俺は七星と幸せになれるし。
約束を破ったのは親父で非はあちらにあるわけだし」

なんだか龍志は真剣に悩み出したが、それはそれでいろいろ大変なのでは……?

「とにかく。
私にルナさんと結婚する意思はありませんし、彼女との結婚は父が勝手に進めている話です。
専務はまだ、男女間の問題と個人の家の問題に口出しするおつもりですか?」

「あ、ああ」

いかにもちゃんと話を聞いていましたというふうに専務が取り繕う。
しかし先ほどからどうしていいかわからず、動揺していたのは見え見えだ。

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