憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「いや、しかし、こうしてルナさんから契約破棄の申し出があり、我が社も損害を被っている」

もっともらしい顔で専務が頷き、ルナさんは勝ち誇ったように笑った。

「それなんですが」

再び龍志がスーツの内ポケットから紙を取り出し、またテーブルの上に広げる。
それは【美人モデル・ルナのわがまま放題!】【金に飽かせて芸人を犬扱い!?】と大きな見出しのついた、週刊誌の記事だった。

「な、なんだこれは!?」

慌てふためいて専務はそれを手に取って確認している。

「ル、ルナさん!
これは事実なんですか!?」

「まあ。
おじさまは私より、そんな根も葉もない噂を信じるんですね」

はぁーっとルナさんが物憂げにため息をついてみせる。

「ま、まさかそんな」

それを見て専務は否定しているが、……〝おじさま〟、ねぇ。
そうやって彼女から言いように手のひらで転がされているのか。

「そ、そうだ。
ルナさんがこんなこと、するはずがない」

動揺を隠すように専務はうんうんと頷いている。
テーブルに戻された紙を今度は私が手に取って中身を確認した。
< 417 / 438 >

この作品をシェア

pagetop