憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
龍志は下まで私を送り、さらにしっかりタクシーにまで乗せてくれた。

「帰ったらちゃんと話す。
……俺の、タイムリミットも」

淋しそうに付け足され、胸がずきんと痛んだが気づかないフリをする。

「はい」

「七星」

改まって名を呼ばれ、彼の顔を見上げる。

「愛してる」

彼は素早く唇を重ね、離れた。
すぐにドアが閉まり、タクシーが走り出す。

「うぁ……」

奇声を発しそうになって、慌てて口を押さえる。
あんなの、漫画やドラマの中でしか見たことがない。
実際にやるとこんなにどきどきするんだ……。

少しして落ち着き、流れていく窓の外を見る。
龍志は三十歳になるまでは自由にしていいと父親と約束したと言っていた。
それがきっと、彼が私と一緒にいられる期限だ。
あと、一年とちょっとで龍志は私の元からいなくなる。

「……そっか」

それが長いのか短いのか、私にはわからなかった。

マンションに帰ってきてとりあえずコーヒーを淹れていたら、携帯がメッセージの到着を告げた。
見てみるとCOCOKAさんから届いている。

【七星お姉さま、大丈夫ですか!?】

なんか凄く、心配されている。
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