憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
私の目を見て彼は真面目に頷いた。
そういうところ、本当に好きだ。

「可哀想といえば。
専務、降格のうえに離婚を迫られているそうですね」

「ああ。
それこそ自業自得なんだから仕方ないだろ」

龍志は興味なさげな顔をしている。
私を糾弾した前日、専務はルナさんを〝個人的に〟接待していた。
もちろん個室で、しかも皇室献上蟹がつくおひとり様七万円のコースだ。
密室でなにがおこなわれたのかはわからないが、あれだけ彼女に骨抜きにされていた様子からして、それなりにいい思いはさせてもらったのだろう。

しかしそれでもあのプライドの高いルナさんだ、男女の関係まではいっていないと思うが、若い娘と遊んでいたと奥様は大激怒。
さらにそれまでの鬱憤も爆発して離婚届を叩きつけて家を出ていったという話だ。

会社のほうもいくら取り引き相手とはいえ、私的な高額接待の経費請求を問題視した。
さらに不当にルナさんが有利になるようにしたと、降格が決定した。

「それに俺たちだってお叱りを受けたんだし」

「……まあ、それはそうなんですが」

龍志の指摘でお皿に視線を落とす。
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