憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「ぴぎゃっ!」

耳もとで囁かれ、変な声が漏れる。

「七星をこんなに可愛くしてくれるなんて、アイツらに感謝だな」

彼が私をテーブルの前に座らせ、首回りにケープをかける。
今から、メイクとヘアセットをしてくれるのだ。

「これは俺も、腕によりをかけないとな」

気合いを入れるように龍志が、左手を右肩に置き首を左右に倒す。
そうして今日はいつもよりも念入りにメイクなどしてくれた。

「どうだ?」

ドヤ顔で彼が、鏡越しに私と視線をあわせる。

「ふわーっ!
凄いです!」

いつもだってプロ並みの腕なのだが、今日はもう女優にでもなったかのような出来で驚いた。

「ま、俺にかかればこんなもんだ」

龍志は褒められて得意げで、ちょっと笑っていた。

着替えも済んだので荷物の最終確認をする。

……ほんとにこれ、いるのかな?

私のスーツケースの中には、由姫ちゃんとCOCOKAさんが準備してくれた〝あれ〟が入っている。
これで迫ればきっと龍志も大丈夫だと言ってくれたが、そもそも私が実行できるか怪しい。
それでも一応、入れておいた。

「準備できたのならそろそろ出るが、いいか」

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