憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
私はこんなに悩んでいるというのに、さらりと龍志が言ってくる。

「食べきれなかった分は俺が食ってやる。
だから心配せずに頼め。
……すみません」

私の返事など待たず、彼は軽く手を上げて店員を呼んだ。

「この、ランチプレートとカレーのランチのセット、以上で」

てきぱきと注文し、彼がメニューをぱたんと閉じる。

「あんなに悩むほど食いたかったんだろ?
じゃあ、我慢しなくていい」

店員が下がり、私と眼鏡越しに目をあわせて彼がにっこりと笑う。
こういう格好いいことしてますます私を惚れさせてくるところ、本当にたちが悪い。

そのうち、頼んだ料理が出てきた。

「いただきます!」

ランチプレートは写真で見たよりもさらに美味しそうだ。
うきうきでフォークを手にサラダから口に運ぶ。

「うーん!」

同じ野菜かと疑いたくなるほど、いつも食べているものよりもパリパリしゃくしゃくで、うまみを感じる。
ナスの煮物っぽいのはとろとろだし、チキンのカレーマリネもさっぱりしていて美味しかった。

「うまいか?」

聞かれて、口に入っていたものあってうんうんと頷く。
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