憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「わるい。
嘘、ついた」

戸惑い気味にチャペルを見上げていたら、いきなり龍志から詫びられた。

「本当は本格的な結婚式が挙げられる施設なんだ」

「え……?」

意味がわからなくて彼の顔をまじまじと見る。

「七星と結婚式が挙げたくて嘘、ついた。
本当にごめん」

龍志は私に向かって深々と頭を下げた。

「……頭を上げてください」

顔を上げた彼の目は、不安そうに揺れている。

「別に怒ってません。
それに龍志とちゃんとした結婚式を挙げられるのは、……嬉しい、です」

龍志とは一生、結婚できないんだと思っていた。
だったら、ごっこ遊びでも思い出が作れるならいいと思っていた。
でも彼は、きちんと結婚式を挙げようと言ってくれている。
たとえ一緒の戸籍になれなくても、これほど嬉しいことはない。

「……ありがとう、七星」

みるみる彼の目が、泣き出しそうに潤んでいく。

「もう!
泣くにはまだ早いですよ!」

「そうだな」

ようやく彼が笑って、私も笑った。
私の声も湿っぽくなっていたから、振り切れてちょうどいい。


中で説明を受け、準備に入る。
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