婚約者に悪役令嬢になってほしいと言われたので
◇眩しくて、憧れた



あれから早1週間が経過した。


とりあえずの協力者としてあらかたのことは聞かせてもらったのでこれで一連の事件が解決したのだと思うとホッとした。


簡単に説明するとヒロイン(仮)であるジーグ男爵令嬢はとある小国の間諜であり、薬を使用してあらゆる国の上位貴族を籠絡、それに乗じてその国に混乱を起こし国力を落とす、あわよくば戦争でも起こして国同士潰しあってくれれば儲け物、という考えでハニートラップを仕掛けまくっていたらしい。


協力者についても情報を引き出して現在は国主導で情報の確認、捕縛などで王宮は忙しく活動しているとか。ロアン殿下もこの件に関しての責任者としてあちこちで働いているみたい。


だから、という理由もあるのだろうけど………あの断罪もどきの日からわたしはまだ殿下と顔を合わせてはいない。純粋に殿下が忙しくてタイミングが合わないのもあるけれど、それならばわたしから行けば良い話。迷惑云々はともかくとして。


けれどわたしからも行っていない、というか行く勇気というか、あの、心構えがまだ出来ていないというか。




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