あきれるくらいそばにいて
そして、最後に診察室に呼ばれ、わたしの担当医になるであろう日下部先生から病気や手術、入院の説明を受けた。
病名は、やはり子宮体がん。ステージⅡ。
子宮と卵巣まで癌が広がっていた為、レディースクリニックの三谷先生に言われた通り全摘すると言われた。
腹腔鏡下手術という、身体に負担の少ない術式もあるようだが、わたしの状態ではそれが難しく、開腹手術で行うと言われた。
開腹手術の為、入院期間は10日間。
退院してからは最低3週間は自宅療養と言われ、診断書や入院期間などが書かれた紙を渡され、会社に提出するように言われた。
「出来るだけ早くお願いします。その年齢でステージⅡだと、進行が早ければすぐにⅢに移行して生存率も下がってしまいますから。」
日下部先生は眼鏡をかけた年配の淡々と話す先生で、わたしみたいな人を何百人も診てきて、慣れているんだろうなぁ、という印象だった。
診断書に書いてある「子宮体癌」の文字に、現実を突きつけられた気がした。
まだどこかで、何かの間違いなんじゃないかと思っている自分が居たけれど、これが現実なんだ。
わたしが帰宅出来たのは、夕方で既に夕日が落ちてからだった。
色んな検査を受けて疲れたわたしは、自宅に帰って早く横になりたかった。
すると、マンションの5階に着いた時、わたしの部屋のドアの前に未来の姿があった。
「あ、葉月!おかえり!」
「未来。あ、もしかして、LINEくれてた?」
「うん、でも返信なかったから大丈夫かなって心配で。」
「ごめん。検査づくしで全然スマホ見る余裕なかった。」
わたしは未来の姿を見て安堵し、未来に抱きついた。
「疲れた、、、」
わたしがそう呟くと、未来は「お疲れ様。俺の家でゆっくり休みな。」と言ってくれた。