同期の姫は、あなどれない
 「……悪い、もうあんまり余裕ないかも」

 覆い被さってきた姫が私の体を抱きしめる。
 熱っぽい声に溶けそうになりながら、私も背中に手を回した。しっとりと馴染む肌が、気持ちいい。

 声を抑えきれない私と違って、姫は静かだったけれど、時々鼻に抜けるようなくぐもった吐息が漏れて、それがまた私を昂らせた。
 胸がされるがままの間も、背中に回った左手が背中のラインをゆっくりとくすぐっていく。

 「もしかして、背中弱い?」

 「えっ、や、分かんな、…っ!」

 ここまで執拗に背中を触られたことなんてない。粟立つような刺激に反射的に体が跳ねてしまう。

 「じゃあ…こっちは?」

 背中をなぞって腰までたどり着いた左手が最後の下着を取り去ってしまった。

 「っ!?やぁ、待ってっ……」

 潤んだところの中心を何度か指で撫でられ、やがて中に指が入りこむとあっけなく受け入れてしまう。まだ決定的なところはほとんど触れられていないのに、音がするほど溢れている。恥ずかしい。
 笑われるかと思って目をぎゅっと閉じたら、こめかみを優しく撫でられ、目尻にキスが降ってきた。

 大事にされている。
 本能的にそれが分かって、こわばっていた体の力が抜けた。

 
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