同期の姫は、あなどれない
ふれて未来を
 ◇◇◇◇

 私たちの関係は、会社では秘密にしている。

 社内恋愛禁止ではないし社員同士で結婚した先輩もいるけれど、今同じプロジェクトで仕事をしていることもあって、それが終わるまでは内緒にしておこうと2人で相談して決めていた。

 なので、会社では普段通りの同僚として振る舞い、週末はどちらかの家に泊まるのが定番で、そんなふうに一緒に過ごすようになって1ヶ月ほどが経つ。
 それぞれの部屋には少しずつ相手の物が増えてきて、今ではそれが見慣れた光景になった。

 「あのさ、本当にこの映画でいいの?このシリーズほとんど観たことないんでしょ?」

 今週は2人とも残業続きだったので、今日は家でのんびりしようと映画を観る約束をしていた。
 私の観たいものでいいという言葉に甘えてチョイスしてしまったけれど、やっぱり気になってしまう。

 「設定は何となく知ってるし、映像が凄いからそれだけでも楽しめるし気にしなくていいよ。ずっと観たかったやつなんだろ?」

 「それはそうだけど、眠かったら途中で全然寝てくれていいからね?確かこれ3時間くらいあるし」

 「そんな勿体ないことしない。ほら、始まるぞ」

 促されて私もソファーに座る。
 目の前のコーヒーテーブルには、氷入りのコーラと電子レンジで作ったポップコーンが並んでいて、ちょっとした映画館気分だ。

 テレビの中では、高揚感を煽る派手な音楽と映像が流れていた。このオープニングを観ると、これから始まるんだなと否応なくテンションが上がる。

 
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