同期の姫は、あなどれない
エピローグ
 ―――2ヶ月後。

 晴れやかな秋空が広がった10月上旬。
 お日柄にもお天気にも恵まれた今日は、姫のお兄さんである悟さんと透子さんの結婚式が執り行われる日だ。

 貸切のゲストハウスの先には広大な芝生の庭が続いていて、着席用のテーブル席と、その反対にはグランドピアノとバンド奏者用のステージが設営されている。

 友達の結婚式に参列したことは何度かあるけれど、ガーデンパーティーのスタイルは初めてで、会場に着いたときは思わず感嘆の声が漏れてしまった。

 悟さんは上総ホールディングスの次期社長になる人で、結婚式となれば重役や取引先などに向けた御披露目パーティーを行うのが慣例らしい。
 けれど、それとは別に親しい友人だけを招いたアットホームな披露宴をしたいという2人の強い希望で、このガーデンパーティーが実現したのだそうだ。

 「……で、そんなに泣く要素あった?」

 「だってすっごい感動したんだもん…」

 ようやく涙が止まった私を、姫がやや呆れたように苦笑している。

 先ほど行われた人前式は、新郎新婦が2人で考えたという誓いの言葉も演出も、どれも素敵で感動しっぱなしで。
 式の間は何とか堪えたものの、終わった直後に涙腺が崩壊した。念のためにアイメイクをウォータープルーフにしておいて本当によかった。

 挙式に参列した大勢の招待客は、歓談したりビュッフェを楽しんだりと、この庭で思い思いの時間を楽しんでいる。
 その中心には白のタキシードを着た悟さんと、ウェディングドレスを着た透子さんがいて、たくさんのゲストに囲まれている。透子さんはスタイルの良さが際立つマーメイドラインのドレスがとても似合っていて、神々しいくらいに輝いていた。

 
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