同期の姫は、あなどれない
地に足がつかないような心地で建物の前まで辿り着くと『Dining & Bar HALFMOON』と看板が見えた。
そして、その下に小さく『会員制』と書かれているのを見つけて、私は思わず姫のスーツの袖を引っ張る。
「どうかした?」
「そこの看板に会員制って書いてあるけどっ」
「あぁ、それなら大丈夫」
姫は怖気付く私をよそにドアを開けて、そのまま中へと促されてしまう。
お店の中へ入ると、いらっしゃいませとお辞儀をして出迎えてくれた受付の男性が、私たちを見るとすぐに何かに気が付いたように破顔した。
「これは、お久しぶりでございますね」
受付の男性と親しげに挨拶をする姫の様子に、顔馴染なのかと驚いていると、男性は私にも柔和な笑顔を向ける。
「お荷物をクロークでお預かりしましょうか?」
「あ、いえ、大丈夫です」
それではご案内しますねと言って、別の若い男性スタッフに引き渡された私たちは、店内の奥へと案内された。
一軒家のように見えたこじんまりとした外見とは裏腹に、店内は驚くほど広かった。
左手にはカウンター席、広い通路の正面には大きな水槽がいくつかあり、水槽を挟んだ奥にテーブル席がある。
テーブル席の一角に案内されて座ると、今度はまた別のスタッフが、服装を見るとおそらくバーテンダーさんだろうか、注文を取りにやってきた。
そして、その下に小さく『会員制』と書かれているのを見つけて、私は思わず姫のスーツの袖を引っ張る。
「どうかした?」
「そこの看板に会員制って書いてあるけどっ」
「あぁ、それなら大丈夫」
姫は怖気付く私をよそにドアを開けて、そのまま中へと促されてしまう。
お店の中へ入ると、いらっしゃいませとお辞儀をして出迎えてくれた受付の男性が、私たちを見るとすぐに何かに気が付いたように破顔した。
「これは、お久しぶりでございますね」
受付の男性と親しげに挨拶をする姫の様子に、顔馴染なのかと驚いていると、男性は私にも柔和な笑顔を向ける。
「お荷物をクロークでお預かりしましょうか?」
「あ、いえ、大丈夫です」
それではご案内しますねと言って、別の若い男性スタッフに引き渡された私たちは、店内の奥へと案内された。
一軒家のように見えたこじんまりとした外見とは裏腹に、店内は驚くほど広かった。
左手にはカウンター席、広い通路の正面には大きな水槽がいくつかあり、水槽を挟んだ奥にテーブル席がある。
テーブル席の一角に案内されて座ると、今度はまた別のスタッフが、服装を見るとおそらくバーテンダーさんだろうか、注文を取りにやってきた。