同期の姫は、あなどれない
自覚なき恋心 姫side
声や言葉には性格が表れるらしい。
家柄のせいか、生まれ持った抑揚のない声質のせいなのか、昔から自分の発言が好意的に受け取られることが少なかったように思う。
思ったままを口にするとキツすぎる、隠そうとすれば皮肉に受け取られる。二言目には『これだからお坊ちゃん育ちは』。
「俺達が上総家の人間っていうのは変えられない事実だし、だったらそれを利用した方が賢くない?」
兄貴は変なところでお人好しだけれど、基本は現実的でドライだ。
俺以上にいろいろ言われていても、割り切って要領よく振る舞っていた。けれど、持ち前のカラッとした明るさでそれを嫌味に思わせない。あれは一種の才能だと思う。
そんな才能を持ち合わせていなかった俺は、だんだんと他人と関わることを避け、その代わりに相手の表情を読むようになった。
相手の考えていることが分かれば、それに合わせた対応をすればいい。そうすると、すごくラクだった。
家柄のせいか、生まれ持った抑揚のない声質のせいなのか、昔から自分の発言が好意的に受け取られることが少なかったように思う。
思ったままを口にするとキツすぎる、隠そうとすれば皮肉に受け取られる。二言目には『これだからお坊ちゃん育ちは』。
「俺達が上総家の人間っていうのは変えられない事実だし、だったらそれを利用した方が賢くない?」
兄貴は変なところでお人好しだけれど、基本は現実的でドライだ。
俺以上にいろいろ言われていても、割り切って要領よく振る舞っていた。けれど、持ち前のカラッとした明るさでそれを嫌味に思わせない。あれは一種の才能だと思う。
そんな才能を持ち合わせていなかった俺は、だんだんと他人と関わることを避け、その代わりに相手の表情を読むようになった。
相手の考えていることが分かれば、それに合わせた対応をすればいい。そうすると、すごくラクだった。