取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
慌てて写真立てを置いて扉に向かうとき、テレビのリモコンを引っ掛けて落としてしまった。が、拾うのを後回しにして扉を開ける。
そこには暗い顔をした千景が立っていた。
優維は中に招こうとするが、千景は一歩も動かず、書類を差し出す。
「離婚届、俺はもう書いたから」
渡されたのは記入済みの離婚届。
「まだしばらくは世話になるけど、なにもしないから安心してくれ」
やわらかな笑みが、どこか痛々しい。
離婚届を受け取ると、彼はすぐに戻っていった。
優維は部屋で座りこんでため息をつく。
彼を利用するように結婚して、彼が困ったときには、見捨てるように離婚をする。
なんてひどい女だろう。
信じるとは言ったが、信じるだけなんて、誰だってできる。無料であり、なんの労力も伴わない。そんなの、本当に信じていると言えるだろうか。
だけど、私はなにもできない。
本当になにもできないだろうか。
少しでも彼の無実を証明するなにかをつかめないだろうか。
警察に行くことは総代表である勇雄が猛反対している。優維のためだというところが皮肉だ。神社の運営に総代たちの協力は必須であるため、今後を考えると彼らの意に反して警察への通報を強行するのは得策には思えない。せっかくの千景の配慮を無にすることにもなる。
さらにはもう猫の木造が戻ってきているというのも大きい。
そこには暗い顔をした千景が立っていた。
優維は中に招こうとするが、千景は一歩も動かず、書類を差し出す。
「離婚届、俺はもう書いたから」
渡されたのは記入済みの離婚届。
「まだしばらくは世話になるけど、なにもしないから安心してくれ」
やわらかな笑みが、どこか痛々しい。
離婚届を受け取ると、彼はすぐに戻っていった。
優維は部屋で座りこんでため息をつく。
彼を利用するように結婚して、彼が困ったときには、見捨てるように離婚をする。
なんてひどい女だろう。
信じるとは言ったが、信じるだけなんて、誰だってできる。無料であり、なんの労力も伴わない。そんなの、本当に信じていると言えるだろうか。
だけど、私はなにもできない。
本当になにもできないだろうか。
少しでも彼の無実を証明するなにかをつかめないだろうか。
警察に行くことは総代表である勇雄が猛反対している。優維のためだというところが皮肉だ。神社の運営に総代たちの協力は必須であるため、今後を考えると彼らの意に反して警察への通報を強行するのは得策には思えない。せっかくの千景の配慮を無にすることにもなる。
さらにはもう猫の木造が戻ってきているというのも大きい。