取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
「ほかに盗まれてるものはありませんでした。私は彼を信じています」
「気持ちはわかります。ですが」
「もっと調べる必要があります。今度、大藤神社に行ってみます」
 そちらの線もあった、と言いながら思う。まだまだ調べる余地はありそうだ。

「それに、ネットオークションのサイトも変でした」
「……すみません、URLを聞かれたのにお教えそびれてましたね。ですがどうやってサイトにアクセスを?」

「画像で調べてなんとかたどりつきました」
「ああ……思いのほか行動力がおありなのですね」
 聖七は目を細めた。

「それで、どこが変なのですか?」
「アメリカの会社なのに翻訳サイトで翻訳したみたいな英語なんです。ネットのマップで調べたらアメリカのその住所に該当の会社がないんです」

「英語が得意なんでしたね」
「大学では国際関係学科で英語が必須でしたから」
 英語が得意なんて話したことあったかな、と思いながら優維は言う。

「サイトに問い合わせのメールをしたくても連絡先がなくて。変じゃないですか?」
「わかりました。そちらの調査は私がしましょう」

「お願いします」
 優維はほっとした。一緒に千景の無実を証明しようとしてくれる人がいる。なんて心強いんだろう。そう思ったのだが。
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