取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
「お前が警察に行くのを強硬に反対したのは、サイトが偽物だったからだ。実在のサイトに出品して他人に落札されたら茶番が失敗するからな。総代たちはネットや英語に弱いのもわかっていたんだろう。海外のサーバーを使うほど手の込んだサイトだから素人は騙せただろうが、きちんと調べればおかしいことに気が付く。落札のためにアクセスする場所がどこにもないし、英語もよく見るとおかしい」

「私がやった証拠なんぞないだろうが」
「証拠はある」
 千景の言葉に、聖七は顔をしかめた。

「興信所に頼んでお前を調べてもらっていた」
「興信所ごときでなんとかなるかよ」

「お前自身はな、信じられないくらいに潔白だった。うまく隠したんだろうが、お前の部下や客は違う。ぼろぼろと出て来たよ。島岩さんは今、警察に自首をしている」
「あの雑魚……」
 聖七は憎々し気につぶやく。

「いつの間にそんなこと」
「神社の経理に不審があったから、そのときにね」
 千景は安心させるように優維に微笑を見せる。

 千景の武器、それは仮想通過で得た貯蓄。その金でいくつもの興信所を使った。
 神社の金の流れが不自然だったことに気付いて税理士に頼んで調べ、さらに不審な点があったので、興信所にローンの借り換えをした金融会社の調査を頼んでいた。

 興信所の人間と会っているのを優維に見られたときには焦ったが、優維は彼のことを追求してこなかった。
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