取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
「な、なんで」
 優維は慌てるが、彼に再び押さえられてしまう。
「綺麗だな」
「いや、見ないで」
「わかった、見ない」
 彼は目を閉じると唇で彼女の胸の先端に触れる。

「あっ――」
 初めて感じる種類の快感が全身を走り、体がのけぞる。体も頭も芯が熱く溶けて思考ができなくなっていく。
 彼は充分に胸を堪能すると、下半身へと手を伸ばす。

「やめて……恥ずかしい」
 止める声は自分でもわかるくらいに弱々しかった。彼はきっと、これ以上の快感を自分にくれるのだろう。心のどこかで期待している自分が恥ずかしい。
 なけなしの理性をかきあつめて彼の手をつかもうとするが、それより先に彼の手につかまる。

「かわいいよ」
 彼の声には淫らな悦びが含まれていて、優維はただ首を横に振った。

 これが官能ということか、と熱に侵された頭の隅で思う。気持ちいい、だけど気持ちいいと思っていいのだろうか。こんな淫らでいいのだろうか。神職を目指す者として清らかであるべきではないのだろうか。
 なのに彼の唇が肌をなぞるたび、指が動くたび、体は悦びにうねる。まるで自分じゃないみたいだ。

「すごくかわいい……愛してるよ」
 愛の証ならば許される悦びなのだろうか。
 ささやきを免罪符のように聞き、彼の与える快感に溺れて、跳ねた。
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